「特定電子メール法」の改正


2008年12月1日より改正された「特定電子メール法(正式名:特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)」ですが、改正施行後も多くのご相談を頂いております。そこで今回は 「特定電子メール法」の改正ポイント、注意しなければならないポイントについて公開させて頂きました。




 ■「特定電子メール法」(俗称「迷惑メール防止法)を理解する」

 【法律・省令】
 
 ○  特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成21年6月5日改正)
 ○  (参考)特定電子メール法平成20年改正(平成20年12月1日施行)(PDF)
 ○  (参考)特定電子メールの送信の適正化等に関する法律施行規則の一部を改正する省令
    (平成20年11月14日公布、平成20年12月1日施行)   新旧対照条文 (PDF)



 【ガイドライン】

 特定電子メールの送信等に関するガイドライン(平成20年12月1日以降)(PDF)
 電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン(PDF)


 【補足説明】

 ○ 特定電子メール等送信適正化業務について


 【改正の動き】

迷惑メールを撲滅するため、広告宣伝メール平成20年2月29日に国会に提出されていた「特定電子メール法」の一部改正法案が、同年5月30日に参議院にて可決・成立し、6月6日に「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律の一部を改正する法律(平成20年法律第54号)」として公布されました。



■「特定電子メール法」の改正ポイント

(1)広告宣伝メールの規制に関し、取引関係にある者への送信など一定の場合を除き、あらかじめ
   送信に同意した者に対してのみ送信を認める方式(いわゆる「オプトイン方式」)を導入した。

(2)あらかじめ送信に同意した者等から広告宣伝メールの受信拒否の通知を受けたときは以後の送信
   をしてはならない。

(3)広告宣伝メールを送信するに当たり、送信者の氏名・名称や受信拒否の連絡先となる電子メール
   アドレス・URL等を表示すること。

(4)同意を証する記録の保存に関する規定を設けること。




■改正ポイントの補足説明

(1)従来は、件名に「未承諾広告※」などと記載することで広告メールを送信できたが、改正後はユ
   ーザから同意が取れていない広告メールは送信してはならなくなりました。

(2)広告メールとは、広告の入ったDMメールだけでなく、広告の入ったメルマガや、広告の入った
   案内メール等 広告の含まれる全てのメールを広告メールと判断されます。

(3)このメールを受信しても良いという同意を証明する記録を保持し、記録を保存しなければならな
   くなりました。

(4)受信拒否の連絡を受けた場合は、以後の送信をしてはならなくなりました。

(5)広告宣伝メールには、必ず、送信者の氏名・名称を表示することを義務化されました。
   (ペンネームやハンドルネームは不可)

(6)受信拒否の連絡先となる電子メールアドレス・URL等の表示を義務化されました。



■運用のポイント

(1)メールによる広告主だけでなく、企業で発行しているメルマガ(アフィリエイトメルマガ含む)
   においてもメルマガ中に広告・宣伝のあるものは、同法の対象となります。

   この「特定電子メール法」は、迷惑メールだけが対象と思われがちですが、メルマガの多くに
   は、広告・宣伝に該当する項目が含まれていますので同法の対象となります。


(2)オプトイン方式の切り替えに伴いルール化(特に事前同意)、証明記録の保管・管理ルールを
   具体的に決めておく必要があります。

   特に重要なのは、事前同意の証明記録が管理されている事です。従来のメルマガ配信方法では、
   配信先のメールアドレスをユーザ登録してもらえばそれで手続きは完了とする運用が多く、明確
   な事前同意となる証明を取っているメルマガは少ないと思われます。オプトイン方式の切り替え
   に伴うルール化は重要ですが それ以上に、既存ユーザからの同意をどのように取るかが重要で
   す。


(3)改正に対応するために最も重要になるのが、既存ユーザへの同意についてです。

   仮に既存ユーザからの事前同意の証明記録を無いまま運用をおこなうと、同法に違反することに
   なります。

   言い換えると、最も重要となるのは、既存ユーザに対して どのような方法で、いかにして再同
   意を取るかと言うことです。

   面倒だから、メルマガから広告・宣伝を省こうという考えもありますが、そうすればメルマガ発
   行の目的 は変わってしまいます。

   法律が変わったので改めて同意を既存ユーザに求めた場合、どれだけの同意を得られるかです。

   メルマガの購読者層や内容によって解決策は違うと思いますが、既存ユーザからいかに再同意を
   得て証明記録とするかが、知恵の絞りどころとなります。



■罰則

(1)送信者情報を偽った電子メールの送信に対し電気通信事業者が電子メール通信の役務の提供を拒
   否できることとなった。

(2)電子メールアドレス等の契約者情報を保有する者(プロバイダ等)に対し情報提供を求めること
   ができることとなった。

(3)報告徴収及び立入検査の対象に送信委託者を含め、不適正な送信に責任がある送信委託者に対
   し、必要な措置を命ずることができることとなった。

(4)法人に対する罰金額を100万円以下から3000万円以下に引き上げるなど罰則を強化され
   た。



■罰則のポイント

上記の通り、違反が見られた場合は、電気通信事業者(プロバイダやホスティング会社、メルマガ配信スタンドなど)は、メールの配信を拒否できようになりました。また、場合によっては、メールの送信者だけではなく、電気通信事業者側も法の適用対象になります。

つまり、同法に違反すると、業務停止命令(あるいは改善命令)を受けて、広告メールやメルマガ発行の停止に追い込まれる可能性が高くなります。また、広告メールの販売業者だけでなくそのメールの配信を請け負うメール配信システムサービス企業まで罰則が適用されます。

ちなみに、この命令に違反すると1年以下の懲役若しくは100万円以下、法人の場合は罰金額を100万円以下から3,000万円以下の罰金が課せられます。


また、違反企業に対する行政処分(措置命令)がおこなわれた場合には、以下のように総務省、消費者庁及び財団法人 日本データ通信協会のホームページ上に、企業名、行政処分(措置命令)内容が3年間公開されます。


 【行政処分例】
   (総務省)公開例
    • 平成21年10月19日
    • 平成21年10月19日


■その他のポイント

(1)迷惑メール対策を行う外国執行当局に対し、その職務に必要な情報の提供を行うことをできるこ
   ととなった。

(2)海外発国内着の電子メールが同法の規律の対象となることを明確化した。



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