災害時の連絡手段


震災など大災害の発生直後、まず必要なのが家族や会社スタッフの安否確認。そして次にオフィスや店舗、情報システムの被害状況の確認です。この際に誰もが最初に使うのは電話ですが、大規模な災害時にはほとんど頼りになりません。
災害時の通信手段を考えておく必要があります。




■ 災害時には、電話はつながらない

大地震や、台風などの災害時に、携帯電話がつながらなかった経験は皆さんあると思います。
実は阪神淡路大震災の時には固定電話はつながりにくくなったものの、携帯電話はおおむね利用できました。それ以来「携帯電話は災害に強い」と言われてきたが、現在では、それが通用しなくなっています。
携帯電話のユーザー数は、阪神淡路大震災の当時と比較して約25倍となり、通信制限の掛け方などが当時と全く違っています。

携帯電話の基地局やアンテナが壊れて使えなくなったりするという可能性もありますが、それよりも通話規制により携帯電話がつながりにくくなります。


これは、通話規制による輻輳(ふくそう)によりネットワーク全体がダウンすることを防ぐためです。
しかし、輻輳が他の地域のネットワークにも連鎖的に広がると、大規模な通信障害に発展してしまう恐れがあり、緊急通話までもがつながりにくくなってしまい、復旧活動にも大きな影響を及ぼすだけでなく、ネットワーク全体の復旧に大幅な時間がかかることとなってしまいます。
そこで携帯電話事業者は、通話規制を実施し、輻輳が他の地域に広がることを防ぐため通信規制をおこなうのです。

ただし、こうした通話規制がかけられても、自治体や消防署などの公共機関などに提供されている「優先電話」は、優先して通話ができるようになっています。また一般の携帯電話でも、110番や119番などの緊急通話は規制の対象外となります。
大地震などの災害時には、固定電話も携帯電話も使えないと思っておいた方が良いでしょう。


東日本大震災時には、携帯電話は2週間後から利用可能エリアが増え始め、約1ヶ月半で通信インフラが復旧しました。



輻輳(ふくそう)とは、大規模な災害が起こると、被災地の人々が互いに安否確認を行ったり、他の地域の人が被災地の人に対して安否確認を行うことが多く、多くの人が一斉に携帯電話を使おうとするため、基地局をはじめとしたネットワーク設備の処理能力を超え、パフォーマンスが大幅に低下してしまうためです。
このような状況に陥ることを輻輳といい、コンサートの予約や、新年のあいさつなどで通話やメールが殺到した際も、輻輳状態になることがあります。



■ 災害時に、携帯メールは使えるか

通話は常に一つの無線チャネルを占有してしまいますが、パケット通信はデータを細かく分割して流す仕組みとなっているため、チャネルの占有率が低いため輻輳が発生しにくく、災害時の連絡に強いと言われています。
携帯電話会社が展開している「災害伝言板」は、パケット通信の優位性を有効活用したサービスです。
しかし以前は、通信量をコントロールする場合、通話・パケット通信ともに同じように制限をかけてしまうことが少なくありませんでしたが、最近では、通話とパケット通信、それぞれのネットワークを分けて制御する「分離制御」を導入することで、音声よりパケットの規制を緩くするという方策がとられるようになり携帯メールは災害時でも使える可能性が高いと言われてきました。
しかし、東日本大震災後、多くの人が携帯電話(通話、メール)で連絡を取ろうとしたためアクセスが集中し、被災地以外でも、ほとんどつながらない状態が続きました。
災害時は、携帯メールも使えない可能性が高い。メールが届かないこともあると思っておいたほうが良いでしょう。



■ インターネット経由の情報交換が有効

一方、パソコンなどを使ったインターネット経由での情報交換は比較的有効でした。ツイッターやFacebookなどの「ソーシャルメディア」も連絡手段として機能した例を多く聞きました。
しかし、ツイッターやFacebookでも、利用者が殺到すればパンクして使えなくなる可能性もあります。



■ 通信手段を増やしておく
災害時には、「ソーシャルメディア」が有効と書きましたが、利用者が殺到すればパンクする可能性があるため、複数の通信手段を使い分けることが重要になります。

例えば、安否確認には、災害伝言ダイヤルを利用する。
社員間の連絡には、インターネット網を利用したIP電話、ツイッターを利用する。ツイッターがパンク状態になった場合は、Facebookなどを使うといったように段階的な手段を計画しておく必要があります。

ただし、複数の連絡手段を用意する場合は、双方とも同じ連絡手段を利用しておかなければ利用できなものが多いため、事前にツールを決めて利用登録をしておく必要があります。


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